2012年5月7日月曜日

コスタリカにて女性の経済自立・起業支援、首都サンホセ市役所で働く、しぶや ゆかり氏 | SAMURAI BACKPACKER PROJECT サムライバックパッカー 〜世界一周プロジェクト〜


皆さんはコスタリカという国をご存知でしょうか?
名前だけはなんとなく・・・そんな人が多いような気がしてなりません。僕もかつてはそうでしたので…。
コスタリカは中米の真ん中に位置している国です。

国面積5万1100k㎡、四国と中国を合わせた程度の国土。
人口458万人(横浜市程度)、首都サンホセ市人口40万人。
1949年には軍隊を全面廃止し、1983年には永世中立国宣言をしています。
1949年に軍隊を放棄して以来、軍事費ゼロ。その費用を教育費として活用しています。
国家予算3分の1を教育費に充てており、国民の識字率は97%を超えます。

また、全地球上の動植物の5%以上が国内に生息、
国の25%以上を国立公園として自然保護している国でもあります。
異なる2種類の海(太平洋とカリブ海)に挟まれ、
海抜0mから最高峰3,820mのチリポ山までと標高差が激しく、更に熱帯雨林・熱帯 乾燥林、
また世界的にも珍しい熱帯雲霧林が存在する、自然の宝庫でもあるのです。
地形と気候の多様性が、多種の動植物が生息している理由とのこと。エコツーリズムが盛んで、観光客は勿論、研究者などもよく訪れるそうです。
手塚治虫氏の「火の鳥」のモデルにもなったと言われている
ケツァールという美しい鳥を観るには此処、コスタリカが適した場所として有名です。

加えて、中米の中では白人系比率が高いのも特徴でしょう。経済も中米の中では急成長中です。

(※コスタリカの首都サンホセの市街地のメインストリート近辺はいつも賑わっています。)

さて、そんなコスタリカで、
しぶやゆかりさんという方が首都サンホセの市役所で働いているということで
お逢いしてきました!

サムライバックパッカープロジェクト始まって以来、3人目の女性となります。
 

自己紹介とこれまでの歩みについて教えて頂けますか?

初めまして。
日本で若年層キャリア支援・若者の自立支援に関する非営利会社の代表者をして来ました。
1999年にゼロから立ち上げてから丸10年間その仕事を続け、
全くの新しい世界を見ようと、日本国政府の技術協力ボランティア(jicaボランティア)として
この地へやって来ました。

「自分にできることは何だろう?」と考えた時、
今までの起業経験・10年間の経営経験を踏まえると、
女性の経済自立・起業支援の仕事は、良いステップアップの機会だと思いました。

実は6年前にこの国を訪れていて、元大統領の奥様・国会議員の方と会談をしたことがあります。

その時は、主に教育に関する話をさせて頂いたのですが、
「いつか、コスタリカのために一緒に働いて欲しい。」と言って頂いていて、
その後もその方々とメールでのご縁が続いていました。

とはいえ、私も自分の仕事があり、なかなかその機会を得ることができずに居たのですが、
何のご縁か、10年の区切りのこのタイミングに、
日本国政府の技術協力ボランティアに
「コスタリカ・サンホセ市役所女性課にて女性の経済自立・起業支援」の仕事があると伺い、
「これは呼ばれたな。」と感じて、実際にここで仕事をする機会が実現しました。
ご縁ですね。
 

現在の仕事内容と、仕事の魅力について教えてください。

サンホセ市役所女性課にて、
女性の経済自立・起業支援プロジェクトの新規事業立ち上げのプロジェクトマネージャーをしています。

コスタリカは日本とは比べ物にならないほどシングルマザーが多く、
更に、父親の違う2人・3人の子供をシングルマザーで、仕事をしながら育てている女性が多く居ます。

市役所女性課として、そのようなシングルマザーの彼女たちや、教育レベルの低い女性たちを対象に
ビジネスの基礎知識などを身につけさせ、経済的な自立を促す仕組みを作っています。

約1年半前に来て、市役所内でほぼゼロの状態から本プロジェクトの立ち上げを行ってきました。

私は、今回の機会に、初めてスペイン語を勉強した人間です。
最初は本当に言葉が通じなくて…、伝えたいことが山とあるのに、
全く伝え切れないもどかしさ・ふがいなさで、何度も悔しい思いをしました。

それでも幸い日本での今までの経験から、何をしていけば良いのかはある程度は分かっていたので、
とにかく順番に1つずつ、辛抱強く、それらを積み上げています。

結果、お陰さまで、コスタリカ国の首都サンホセ市、その市役所女性課において
国内のモデルケースとなる女性の経済自立・起業支援の仕組み(枠組み)を
ある程度構築することができて来たところです。

数ヶ月前に正式に、市役所の5カ年重点計画プロジェクト2011-2016 にも組み込まれ、
このプロジェクトが少なくとも2016年までは継続されることが決まりました。


ここで、iは25 idelr 295を見つけることができますか?

具体的には、
1、情報提供 2、研修機会の提供 3、販売機会の提供 の3本を柱に、
国内の銀行数行や、大蔵省・労働省、各種NGO、並びに市議会等ともタイアップをして
総合的な支援体制を構築しています。銀行員が直接教える"ビジネスクラス"や、
大蔵省職員が法人格の取得方法や税金について直接教える"アドミンクラス"、
責任感や素直さ・自律(自分を律する)等を教える"価値クラス"、自分を愛する力を養う"自尊心クラス"など、
この国ならではのものもあります。

こちらに来た直後の2009年の終わり、
その後一緒に仕事をすることになる女性銀行
Banca Mujer(国立銀行の開発部が、2010年に独立してできたもの)の人達から、
「この国は国民の85%以上が貯金をしない。
もらったお金は全部使ってしまい、貯金をする文化がほとんどない。」と聞きました。

結果、この国の銀行は、シングルマザーであろうが、教育レベルの低い女性であろうが、
誰であっても"事業を起こそうという志を持った人を全面的にサポートしていきたい"と
考えていることを知りました。

また、それが直接的に国の最大の利益につながるため、関係者の多くがその意識を持っていることを感じました。
国の"貧しさ"が、経済自立・起業支援の裾野を否応なしに広げていて、
本当の意味で、「女性の経済自立・起業支援の必要性が高い」のだと思います。

これは、日本とは根本的に異なる状況・考え方だと思います。
※しかし貧しいとは言ってもここは中進国です。途上国とは呼ばれていません。
※私も初め誤解していたのですが、とんでもないような貧困状態ではありません。

ちなみに、対象者はいわゆる普通の"おばちゃん"ばっかりです。

しかし、人間誰だって最初から経営者の人は、居ないと思います。私もそうでしたから。
少しずつ勉強をしながら、様々な失敗を繰り返しながら、経営者になっていくものだと思います。

何より、彼女たちは子どもを抱えていて、生活がかかっている。
その意味では、背負っているものが大きいし、重い。とにかくリアルで、切羽詰まっています。
それでもラテンの人たちなので、苦労を楽しみにしてしまう。このバランス感覚が好きですね。

とはいえ、あくまでも女性たちの経済自立・起業支援なので、
"売上を数億円単位の会社にしましょう"とか、そういうレベルの話ではありません。
自分と子どもと親が、ぼちぼちと食べていければ十分なレベル。
その点も、気に入っています。

もちろん、経済自立や起業は、そんな簡単なことではありません。
やってみれば誰もが成功する、わけでもありません。
でも、"本当にどうにかしたい・努力をしたい人"にはその道がある、ことを示すことは、
彼女たちに生きる希望を与えることでもあり、とても大事なことだと思っています。

まだまだまだまだ…です。
確実に「これから」の国ですが、それでも、ポテンシャルは高いと思います。
 

実際に参加している女性たちはどんなことを学んでいるのでしょうか?

私の目から見た、"女性たちの目からウロコの瞬間!"を、2つご紹介したいと思います。

第一位は、「損益分岐点の理解」。

"*個売れば、儲かった"となるポイントが、明確に存在するということ。その具体的な計算方法。
その個数は、前もって自分の力で計算することができるということ。

そのためには、何が経費で、何が経費ではないかを理解し、それを計算する必要があります。
最初の段階では彼女たちは、"今日の売り上げによって、具体的にどれくらい儲かったのか"を
正確に把握する術を知りません。
そのため、やみくもに"たくさん売れたら、きっといっぱい儲かっているに違いない。"
と考えている節があります。

でも、「たくさん」って何個?「いっぱい」っていくら?でしょうか?
それを知らないがために、気がつくと、黒字であっても体力的にヘトヘトになっている場合や、
実はひどい赤字サイクルを永延と続けていたという場合が、往々にしてあります。

そこに具体的な数字を持たせることで、リアリティーが一気に増し、
この数をクリアしたら「今日は儲かった。じゃあ、先に家に帰って明日に備えよう。」や、
「どうもこれを続けていても赤字のままだから、商品を変える必要があるかも。」という、
"判断"が可能になります。

第二位は、「法人格取得後の"免税制度"の理解」。
彼女たちは知識不足のため、法人格を取得すると税金をたくさん払わなくてはいけないと、信じています。
しかし実際は、法人格取得後も年間の売り上げがある一定額に達さなければ、税金を払う必要はありません。
つまり、"免税制度"です。


それはコネチカットからナイアガラの滝までどのくらいの距離です

それを知らないがゆえに、法人格の取得を敢えて避け、
申告を一切行わずに、数年間もあたかも隠れてビジネスを行っている人が多くいます。
結果、他社との契約等を行う等、事業を拡大していく機会までつながらず、
本当の意味で、"自分の商売で経済的な自立ができる状態"に届いていない人が多くいます。

そこで、適切な知識と登記方法を伝え、
それが結果的に自身のビジネスチャンスに繋がることを教えつつ、
法的にも正しいビジネスの運営方法を促しています。
何より私は市役所職員として配属しているので、税金はしっかり払ってもらわなければ困りますからね。

特に、この2つの瞬間を理解した彼女たちの「ひゃー!」の瞬間に立ち会うのは、本当に楽しいです。
 

現在の仕事で、大切にしている考え方を教えて下さい。

先述のとおり、私はコスタリカ国内に既にあった社会のエネルギー(銀行や省庁、NGO、市議会等)の
交通整理をしているに過ぎません。

私ひとりの力では数百名単位の女性たちに、上記を教え、総合的な支援をしていくことは不可能ですし、
もちろん私の語学力の面でも不可能です。
何より私は、この国の法律的な知識やビジネス条件や特性を、詳しく知っているわけではありません。
それらは、現場の人たち、つまりコスタリカ人が一番良く知っています。

ですので、私は最初に「この国には、どこに何があって(=誰に何ができて)、何が足りなくて…」を
片っ端から足で歩いて、把握することから始めました。

結果、この国には元来、女性の経済自立・起業支援に関するポテンシャルが大きく存在していることを知りました。
研修にしても、販売機会にしても、パーツ・パーツは既に存在している。
しかし、それらが統合されていない。直接、利用者まで届いていない。
「まさにこれこそ、市役所の役割だろう。」と思いました。

そこで、それらを組み合わせること、市役所としての仕組み・体制を整え、
直接女性たちにそれらの機会を届けることに注力して仕事をしています。

その一方で、私の目から見て明らかに足りないと感じたのは、
導く側が「彼女たちは絶対にできる。絶対に到達できる。」と信じる力でした。

それは、導く側が「自分達は彼女たちを、そのレベルまで到達させることができる。」と信じられる力
と全く同意です。

これは自立支援という仕事においては、大変に重要なポイントです。
私は日本で、若者自立支援という領域で10年以上の経営経験を積み、そのことを徹底的に学んで来ています。
導く側に「あなたはできる。大丈夫。」と、
本当の意味で、"自分と相手"を信じる力が無ければ、人はついてきませんし、誰も自立できません。

もちろん、単に"女性たちが本当に経済的に自立できる"と信じる・念じるだけでは実現しません。

具体的に、本サービスを提供する市役所スタッフ(導く側)がそのことを心底信じられるよう、
できる限り分かりやすいビジョンと、可能な限り簡素化した具体的なアクションや業務フローを定義し、
更にそれを"実際にやってみせる"ことで、体験知として市役所スタッフと共有しながら構築しています。

結局は、現場レベルにおけるニーズの的確な理解と、明確なリーダーシップが必要なのだと私は思います。
それって、どこの国においても必要とされていることではないでしょうか?

「あなた達は必ず成功する。」「大丈夫だから。」「こっちに行くよ。」を、
常に、女性たちと市役スタッフに伝え続けることが私の仕事であり、
それが実現した時の彼女たちの自信に満ちた顔を見ることが、何よりも私の仕事の醍醐味です。

成功体験を共有することは、本当に大事ですね。それが、彼女たちの自信になるのだから。
この自信さえしっかり押さえることができれば、私が居なくてもプロジェクトは確実に続いていくと思います。
短い限られた期間に成功体験を共有することは、容易なことではありません。

それでも、ミッション達成のために自分ができることを最大限したいと思って来ました。
日本国政府の技術協力ボランティアとしてサンホセ市役所女性課に配属して来ましたが、
それは、"一市役所職員として、コスタリカ人スタッフと現場で共に働くこと"だと考えて来ました。
もちろん、それは簡単なことではありませんでした。

一市役所職員として受け入れてもらえるまで、かなりの時間を要したのも事実です。
それが困難なのは、言葉の壁という表面的な理由だけではなく、
他にも様々な複雑な理由が存在していると私は思います。

ここまで来るまでには、意見の相違で同僚たちと散々ケンカもして来ました。
けれど、新しい事業を生みだす・作りだす上でその汗や涙は必要なプロセスだったと思っているし、
今となっては良い思い出です。何よりもこの貴重な時間に、心から感謝しています。
 


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コスタリカにおける女性の社会進出について

こと"女性の経済自立支援"の領域に関しては、日本より遥かに進んでいると感じています。

国連の人間開発報告書における女性のエンパワー指数で見ても、コスタリカは世界で24位、日本は49位です。

コスタリカでは"女性の社会進出"と敢えて言う必要もない程、女性と男性が普通に一緒に働いています。

その第一の理由は、女性も働かないとやっていけない(ほど貧しい)、という現実があるからなのですが、
私の目から見れば、それはとても自然な姿のようにも見えます。
"世の中、男性と女性は半数ずつ。だから、仕事の現場でも半数ずつ存在している。それだけのこと。"
この国においてこのことは、大変に単純で、明快です。
それに働く女性達がとても可愛く素敵です。

特に2010年の昨年は、国内初の女性大統領(50歳)の就任や、
女性の経済自立・起業支援に特化した女性銀行Banca Mujerの設立など、
このような時代の流れの中で、首都サンホセのサンホセ市役所の女性課で仕事ができることは、
何よりも私自身がとても勉強になっています。

(※Banca Mujerのロゴ)

実はこの「女性課」という枠組みも、8年前に、INAMUという国立女性研究所が
全国の全市役所にトップダウンで配置したものなんです。国内の全市役所に存在するんですよ、女性課が。

女性課設立当初の8年前は、ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)の対策が主な業務だったため、
この課には、心理学者やソーシャルワーカーが多く配属されています。
その後、女性の政治参画に関するサポート等、担当する業務内容が徐々に拡大され、
「では次に、今までサポートしてきた彼女たちの、経済自立も支援しよう。」という流れから、
ビジネスに関する知識を持った人間が必要だと、日本国政府に支援を依頼したそうです。
そこに私がやってきました。

今後の課題は、私は本プロジェクトの立ち上げ担当として仕事をしていますので、
このプロジェクトが5カ年以上継続され、それが評価される時に立ち会うことができません。
私が居なくてもこのプロジェクトがしっかりと市役所内で続き、
更に、本サービスを通じて、ひとりでも多くの女性たちの経済自立・起業を実現できる仕組みを
少しでもきちんと作ることができればと思っています。

嬉しいのは、現時点で既に以前よりプロジェクトで応援して来た、
ある女性(子ども用品)の銀行融資が実際に実現したことや、
別の女性のお店(専門店・セーター屋)がサンホセ近郊にオープンしたこと等の、
具体的な成果が、分かりやすい結果が出てきていることです。

彼女たちの成長を共有できたという意味でも、嬉しいですね。

世界の女性たちは、本当に元気です。いつも私がエネルギーと勇気をもらっています。
 

元々、海外で働きたいという志向はお持ちでしたか

日本でしていた仕事でも、海外の方とお仕事をご一緒させていただく機会は何度かありましたので、
敢えて"海外へ出たい"と意識したことはありませんが、
親の仕事の関係で、中学校3年間をシンガポールで過ごしたこともあって、
舞台は日本だけではないんだろうな、と、漠然とは思っていました。

ただ実際に働いてみて分かったのは、仕事の現場においては、国籍はほとんど関係ないということです。
言い方が良いかどうか分かりませんが、
日本人でも、立派な方・自信と誇りを持った方もいれば、そうでない方も居るのと同じように、
コスタリカ人でも、素晴らしい方・明確なビジョンを持った方・心から尊敬できる方もいれば、
そうでない方も居ます。それはどの国でも同じではないでしょうか?

結局は、人間ひとりひとり、なのだと思います。
特に私のように、スペイン語初心者で、言葉がうまく通じない世界に飛び込んだ場合は、
"言葉で伝え切れないもの"を交換しならコミュニケーションをする必要がある環境だからこそ、
各々の人間性が直接的に問われるんだな、と感じます。怖いですよ、ある意味。
こっちに来た当初、あんまり言葉が通じなくて自分の考えを全く伝えられず、
本当にしょっちゅうニガイ思いをしていましたから。(笑

 

コスタリカに来て、一番の困難は何でしたか?

言葉(スペイン語)です。

 

また、それをどのようにして乗り越えられたのでしょうか?

まだ乗り越えていません。日々勉強・・・です。

 

コスタリカの魅力をどのような部分で感じられていますか?

「普通」のことが「普通」に行われているところ、でしょうか。

この国は、国中が早寝早起きだったり、お酒を飲み過ぎなかったり、
日本と比べると、とても健全で、素直な国民性だと思います。


もちろん日本と同様に、悪い部分・改善すべき部分もたくさんあります。
それでも、Pura Vida という挨拶言葉に代表されるように、
英語にすると pure life(純粋こそが素晴らしい人生だ)という考え方が根底にあり、
本当に、あきれるほど全員が、素直で実直です。
皆さんが自分サイズで生きていると言うか、「ぼちぼちが一番良い」という文化が根強く、
そういう"頑張り過ぎない国民性"も、今や私にとって心地良く思うようになりました。
とはいえ、さぼっているという分けではなく「順番にやっていこう」という考え方で皆が仕事をしています。

そんな中での、私のようなソーシャルベンチャーの仕事ですから、
「それは確かに大事だ。」と納得させることができれば、当たり前のように提案が通ります。
銀行も。省庁も。市役所内も。すごいと思いませんか?そんな国があるんですよ。

このスルッと感は、大変に気持ち良いですね。仕事のし甲斐があります。
もちろん、国の人口が458万人(=横浜市程度)、首都サンホセ市の人口が40万人、という
とても動きやすい規模の国だった、ということが前提としてあると思います。

 

今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。

どのような場面においても、
ひとりの日本人プロフェッショナルとして、楽しく仕事をしていたいですね。

 

最後に、日本の若者にメッセージをお願い致します!

世界は広いです。まだまだ知らない世界がたくさんあります。
外に出てみて、「日本は、本当に狭くて、人口密度が異常に高いんだな。」と知りました。
良く聞く言葉ですが、それを実感できるのは、実際に外に出て働いているからだと思います。
私もまだまだ勉強の身分。
皆さんに負けないくらい、これからも新しい世界を広げていきたいです。

以上、しぶやさん、御回答有難うございました!

しぶやさんは初めての異国の土地での仕事にも関わらず、
ご自身の経験を活かして非常にたくましく仕事をされているようでした。

また、コスタリカの市役所で多くのコスタリカ人と一緒に仕事をされているようですが、
同僚を心から尊敬されており、
今の仕事に非常にやり甲斐を感じられているようにしぶやさんの話から感じることが出来ました。

また、先述あるように、コスタリカは女性の社会進出にとても力を入れている国です。
特に女性の経済自立支援(起業支援)を目的とした女性専用の銀行が昨年出来たことには大変驚きました。

僕は未だかつて、女性専用の銀行など耳にしたことが無かったからです。
経済自立を目指す女性を集めての研修等の教育面から力を入れているようです。

まさにベンチャー企業向けのインキュベーションのようなシステムを国が本気で取り組んでいるのです。

その中心に入って、しぶやさんは仕事をされています。
日本と違う国の中枢で働けることで、学べることと得られるモノは非常に多いことと思われます。
日本で既に長年活動・活躍されてきたしぶやさんだからこそ、自信を持って取り組むことができ、
その結果として成果が出始めているのではないでしょうか。

これまでは若者のキャリア支援・自立支援をしてきたしぶやさん。
現在はコスタリカのサンホセ市民や経済自立を目指す女性の支援をしているしぶやさん。
コスタリカでの仕事の後、どういった道を選択されるのか、今後が非常に気になります。

実は僕はこれまでの旅の中で、しぶやさん以外にも国際協力の現場で働いている方、
数多くの"その経験がある"という方と、お逢いしてきました。

その中で、その活動において成果を出すことは、大変に難しいということを聞いて来ました。
一方、自身の実務経験を活かして現地で結果を出している人がいるのも事実です。

しかしその実態や実情、実績等は、日本の税金が使われているにも関わらず、
日本であまり知られていないように思います。

日本にいるときは、何処か遠い話のように聞こえていたかもしれません。
しかしこうして、実際に海外に出て、現地で奮闘する人達とお会いすることで意識も変わってきました。

僕らは、日本の国際協力の現場についてもっと関心を高く持つべきなのではないかと
今回しぶやさんとお逢いして、僕はそう思うようになりました。

僕自身が非常に考えさせられる貴重なキッカケを頂きました。

今後の旅においても、そういった視点を持って旅を続けていきたいと思います。

しぶやさん、ご協力、本当に有難う御座いました!

太田 英基



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